世界中の子供たちから多くのことを学びました
世界中の子供たちから多くのことを学びました
GAPYEARフォーラムでもパネリストとして参加した、
今話題のフォトジャーナリスト、安田菜津紀さん
在日韓国人の父、仲の良かった兄の死を次々に体験。人生のむなしさを感じ、現実から逃れたいとの思いで、高校2年の時にNPO国境なき子供たちのカンボジアツアーに参加。そこで、自分自身も悲惨な目にあいながら、より困っている仲間を思う同世代の子供たちの様子に衝撃を受ける。
カンボジアでは、人と人の関わりにおいて、『他人』の定義が日本とは違うと思います。
カンボジア人では、しばらく一緒にいるとだれでも仲間にしてくれるんです。たとえ短い間でもお互い知り合って『仲間』になれば人を大事にする気持ちが芽生えます。もはや『他人』ではないんです。そこには、どんな厳しい状況でも力をあわせてみんなを守っていこうという『家族』や『人と人との絆』があります。その中でも子供たちは『希望の源』です。
どんなに厳しい環境にあっても子供たちの笑顔は、周りの人たちを勇気付けます。私が彼らを好んで撮るのは、厳しい現状を生々しく伝えるだけではなく、写真を見ている人に共感を持ってもらい、暖かな気持ちになってほしいからですね。
岩手の陸前高田市で、小中学校で入学式の記念写真の撮影のボランテイア
私の夫が、陸前高田市出身なので、二人で現地に入って活動をしています。
子供たちにも学校の先生にも、とても喜んでもらえてよかったです。入学式をするのが精一杯で写真どころではなかったと思いますが、写真を撮ること、記録に残すことの大切さを改めて痛感いたしました。
避難所の生活は不便も多く決して楽ではありませんが、お年寄りから子供まで一つ屋根の下、助け合って生きている姿をみて育った子供たちは、人間として一番大切なものを学んでいるのかもしれません。この震災を機に、子供たちの心に、大きな『復興の種』が宿り、思いやりを持った大人に、大きく成長してほしいと思います。
彼女のGAPYEAR経験が、フォトジャーナリスト安田菜津紀を誕生させた。
『知ってしまった以上は、見過ごせない』と彼女は言う。日本を飛び足して懸命に生きている人たちに触れてみよう。自分自身を見つめなおすいい機会になるに違いない。
『アジア×カメラ 「正解」のない旅へ』
フォトジャーナリスト安田菜津紀×アルスコンビネーター・ヤハギクニヒコ
アジア×カメラ。その答えは、無限にある。しかし、「正解」はない。だからこそ、おもしろい。ちがうかい?
日本ドキュメンタリー写真ユースコンテスト(DAYS JAPAN、毎日新聞、早稲田大学主催)に入賞した若きフォトジャーナリストが「なぜアジアなのか、なぜカメラなのか」を語る。決定的瞬間を求めたかつての戦場カメラマンとの違いを鮮明にしながら。
安田菜津紀氏プロフィール
studio AFTERMODE 所属 フォトジャーナリスト
1987年生まれ。2003年8月、「国境なき子どもたち」の友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。守るものがあることの強さを知り、彼らの姿を伝えようと決意。2006年、写真と出会ったことを機に、カンボジアを中心に各地の取材を始める。現在、東南アジアの貧困問題や、中東の難民問題などを中心に取材を進める。2008年7月、青年版国民栄誉賞「人間力大賞」会頭特別賞を受賞。2009年 日本ドキュメンタリー写真ユースコンテスト大賞受賞。写真展に「緑の壁」HIVと共に生きる(2010・コニカミノルタプラザ)など。上智大学卒。
6月13日 第1回gapyearフォーラムの様子