オーストラリア・日本のインターンシップ・就職の現状
望ましい雇用環境へ
オーストラリア・日本のインターンシップ・就職の現状
オーストラリア・日本のインターンシップ・就職の現状
《オーストラリア・メルボルン市街》
菅内閣は最近、追加経済対策に盛り込まれる新卒者・既卒者に対する採用政策を発表した。卒業後3年以内の既卒者の正規採用やトライアル雇用を行う企業に奨励金を提供することなどが柱となっている。
就職が困難な厳しい不景気の中、この若者の将来に対して積極的な影響を与える対策を評価したい。しかし、この方法では根本的な解決は難しいであろう。そこで考えられるのが欧米では一般的になっているインターンシップ(以下にインターンという)だ。
日本は、世界の国々と比較してインターンの習慣が少ない国と言えるだろう。通例として、新卒者は入社してから研修などを始める。
オーストラリアの場合は、多くの仕事に就く上でインターンの経験が必要とされている。就職の競争が激しい現状では、会社がより適当な経験を持っている人材を望むのは当然のことだ。また学生はインターンをすることによって、様々な職業を体験しながら自分に合っている仕事を探っていくことができる。現在では、企業側がインターンを重要視し過ぎるケースも多く、希望する企業や業界へのインターンへの競争も激しくなっており、受からないケースも少なくない。しかし、それでもインターンは、正式な入社前にお互いを知れる双方にとってよい仕組みであることに間違いはない。
インターンに関しては、学生自身が積極的にインターン出来る企業を探そうとする努力が必要と共に、会社側も学生にとって有意義な体験を提供する重要な義務もある。会社として社員たちが普段したがらない単なる雑用をさせるのでは、学生にその会社あるいはその職業への興味を低下させる可能性が高い。これは会社にとっても、先の成長に不可欠な人材の採用の機会を逃すことになるのではないだろうか。
日本の経済を立て直すには雇用に対して奨励金を出すことも大切であろう。しかし、これに伴い政府は、会社側がただ奨励金や雑用をさせる目的の採用をさせないように厳重な監視を望みたい。また根本的な対応として、既卒者だけではなく、在学中の学生達がもっとインターンが出来るように推進してはどうだろうか。
ランス・トロングさん
2月までグローバルコミュニティーの留学生インターンとして、変革の時代の日本を生で体験したジャーナリズム専攻のランスさん(モナッシュ大学)からのリポートです。