2024/12/20 02:57

日本の中の外国メディア

みんなの生活


日本の中の外国メディア 


エスニックメディアは、日本の中の海外を体験させてくれる貴重な存在




上から1段目、台湾、台湾報、スリランカ、ジャヤスリ、インド、マイトレイ・インディア
上から2段目、ネパール、ハムロ・ネパール、インドネシア、メディア・ヌアンサ・インドネシア
ミャンマー、シュエバーマー、上から3段目、ベトナム、ジャウ・リュウ
、マレーシア、マレーシアタイムス、タイ語 スーマイ・タイムズの9誌


日本に住む外国人の人口は、207万人を超え、東京・大阪の大都市圏では、10組に1組といわれる国際結婚などにより定住する人たちの割合も増えつつある。そして、その人たちに日本の生活情報や同胞のためのコミュニティー情報を提供するべく発達してきたのが在日エスニックメディア。在日外国人が急増した1980年代より増え続け、それぞれの国の飲食店やスーパー、国際交流センターなどで目にすることも出来るようになった。日本に留学に来て、就職や結婚して長期滞在をするものでさえも母国語での情報は貴重である。その種類は代表的なものだけでも全国で100種類を超える。媒体の形体も、新聞やフリーペーパー、ラジオ、テレビなど様々。その内容は、仕事や部屋の探し方、ゴミの出し方、トラブル時などの法律相談、母国のスーパー、飲食店などの生活情報の掲載から始まったが、最近は、国際交流ブームで、日本人の読者も増えており、日本語も併記するものも増えている。そして、広告主としては、国際電話の通信会社や旅行会社、不動産会社、金融機関、行政書士、美容院や医療関係も多い。在日外国人コミュニティーは、同胞同士の結びつきが強い場合が多いので、口コミも大きなメディアのひとつだ。



その中でも、ユニークな会社が、在日新聞/外国紙10紙(月刊)を発行する株式会社ニューコム社。中国語(台湾語)・タイ語・ベトナム語・インドネシア語・ミャンマー語・フィリピン語(タガログ語)・マレーシア語・スリランカ(シンハラ語)・インド新聞(英語)・ネパール語で新聞を発行し、エスニックコミュニティー、特に東南アジアから来た人たちにはなくてはならない存在になっている。ニューコム社発行の新聞の最近の特徴は、日本語の記事でそれぞれの国を紹介する記事が掲載されていることだ。一般誌ではカバーされない、アジアの国の情報や、日本国内の国際交流のイベント情報なども掲載され日本人の購読者も増えているという。このように今までは、単なるエスニックコミュニティーの情報誌であったものが、日本人との交流媒体としても役目も果たしつつある。外国人の居住者が増えれば増えるほどエスニックメディアの重要性も高まり、在日外国人を将来性のある消費者マーケットとして捕らえはじめている業種も多い。特に非漢字圏から来た人たちには日本語だけの情報発信では十分とはいえない。エスニックメディアは、単体で見るとどれもそれほど大きな発行部数ではない。しかし、その情報の口コミ効果、母国への波及効果を考えるとこれからのグルーバル時代には重要な媒体となって来るであろう。