2024/11/18 23:22

「もしも私がアフリカの〇〇で生まれたら」TICAD高校生プロジェクト

イベント


「もしも私がアフリカの〇〇で生まれたら」TICAD高校生プロジェクト



日本人にとってまだまだアフリカは縁遠い地域だが、よりアフリカを身近に感じてもらおうと始まったのが、今年で5回目を迎える、Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)通称TICADである。そのTICADで初めて高校生が作るイベントが3月25日、JICA横浜国際センターで、アフリカの留学生・日本の高校生100名以上が参加し行われた。日本の高校生にとってアフリカはまさに未知の世界。しかし、教育面でも大きな期待がアフリカから日本に寄せられているのは事実で、未来を担う高校生が中心になってこのイベントを企画・運営したのは大変意義のあることだ。ディスカッションは、英語で行われたが、バイリンガルの大学生のサポートもあり、高校生がアフリカの留学生の生の声を聞き、意見交換した。

 

「もしも私がアフリカの〇〇で生まれたら」というのはこのディスカッションに臨む高校生の基本姿勢で、「他人事ではなく自分事」として考えようという彼らの気持ちの表れだろう。貧困や社会制度の未整備など色々な問題をアフリカの国々は抱えている一方、家族や人を大切にする文化や、生活を楽しむ知恵など日本の高校生が学ぶことも少なからずあると思う。アフリカの留学生からは、「東京で地震の影響で停電になると騒ぎがあったが、私の国では日に数回停電している」「一人一人がちゃんと自分の仕事を責任を持ってこなしている。私の国とは大違いだ」という意見もあれば、「電車の中で誰も物音ひとつ立てず、携帯をいじっているのは不気味。アフリカだったら隣の人に話しかける」「レストランに行っても日本人は、自分の物だけを注文。アフリカはみんなで分けて食べる。学校や家で一人でご飯を食べることもない」という意見もあった。


アフリカの人たちにとって「豊かさ」とは何か?
彼らは日本的な豊かさを求めているのであろうか?


アフリカの参加者は総じて、とても元気が良く、自分の国のことを語れるこの機会を楽しんでいる様だった。しかし、日本の高校生も堂々と発表していたし、先入観なしにアフリカの留学生から何かを学び取ろうという姿勢は謙虚で清々しい感じがした。政治や経済の枠組みではない、このような純粋な国際交流の輪が今後とも日本の高校生とアフリカの留学生の間で継続して行われて行くことを願っている。

TICAD高校生プロジェクト・スタッフと大学生サポートの藤森さん(右端)


TICADは今年で最後ということだが、日本の高校生・大学生とアフリカの留学生とのこのような形の交流は、今後も継続して行われる価値のあるものだと思う。一方的な援助ではなく、お互いが学び合うという姿勢の元、学生時代に友達になる機会をより多く提供することが一番の支援ではないだろうか?このイベントの企画・運営の中心メンバーの藤田真彩さん(写真左から4人目)は、TICADが終わったとしても学生の力で、このプロジェクトを継続させて行きたいと意気込みを語ってくれた。