オックスフォード流の人格形成術
オックスフォードは英国最古の学園都市で、市内にはオックスフォード大学のカレッジ、研究施設、博物館、100以上もの図書館が点在しています。オックスフォード大学は数多く首相や著名な作家を輩出した大学でもあり、近年ではハリーポッターの撮影舞台となり観光客も多く訪れています。
ハリーポッターの食堂のシーンのモデルになったクライスト・チャーチ内の食堂
また、自然と歴史的建造物に囲まれた街並みはとても美しく、落ち着いた環境で学問に励むこともできます。私自身、アメリカ、カナダ、キューバと今回で4度目の海外生活・留学になりますが、オックスフォード大学ほど国際教育を重んじつつ、英国の伝統文化や知識を重視する校風は初めてで圧倒させられました。
例えば、入学式、試験日、フォーマル・ディナー(教授との食事会等)、そして卒業式等の公式行事では必ず黒いガウンを着用し正装します。入学式も一部ラテン語で行われました。また、カレッジ(寮)で行われるフォーマル・ホール(食事会)は、食事の前にグレース(お祈り)があり、そして、食前のお酒、食事、お茶といった順に、その都度部屋及び席が変わり集まったメンバー全員と話す機会があります。
こういった趣からイギリスが社会性や社交的な人格の形成に力を入れていることが窺えます。そして、正装させることで、常にルールやマナー、個人が果たすべき役割を社会的に自覚させる要素があると感じられました。
このような点からオックスフォード大学は学問だけでなく人材教育にも注力しているのだと改めて実感しました。