2024/12/20 02:43

外国人を採用する企業紹介 エクスポート・ジャパン株式会社

国際人

外国人を採用する企業紹介

 

○企業データ

エクスポート・ジャパン株式会社

本社所在地:大阪府大阪市中央区淡路町2-6-9

業務内容:多言語ウェブサイトの企画・制作・海外向けウェブプロモーション・

海外向けウェブリサーチ

公式サイト http://www.export-japan.co.jp/

エクスポート・ジャパン株式会社  代表取締役 高岡 謙二

フランソワ・ブロサールさん(フランス)

 

"ビジネスを通じて多文化共生社会に貢献する"

"Contributing to intercultural relations through internet business."

 

上記は、エクスポート・ジャパン株式会社の企業理念だ。高岡氏は、大手食品メーカーやタイの領事館での勤務を経て、2000年に起業。JICA、JR東日本、ミキハウス、Fedexなど、国内外の超一流企業や団体の多言語での情報発信のサポートや、日本を紹介するサイトとして有名な『Japan-guide.com』の日本総代理店として、インバウンド事業にも大きく貢献している。今回は、大阪本社で、プログラマーとして活躍するフランソワ・ブロサールさんと高岡社長にお話を聞いた。

 

入社の経緯は?

 

(フランソワ)元々子供の頃から、アニメなどの影響で日本には興味があった。高校や大学でも日本語の授業をとっていたが、愛媛大学での3ヶ月のIT・プログラム関連のインターンシップを受け、日本で働いて見たいという気持ちが強くなった。大学卒業後、フランスでセキュリティ関連の会社で経験を積んだのち、ワーキングホリデーの制度で来日。色々な会社で面接を受けたが、日本語の力が足らず入社には至らなかった。しかし、在日8年のフランス人の知り合いの紹介で、エクスポートジャパンの事を聞き、自分の技術が日本を紹介することにも役立つと訴え、入社が決まった。

英語を話すメンバーも多いが、日本語を早く上達させるために、出来るだけ日本語での会話を心がけた。そのおかげで、1年半経った今では、ほとんど業務上は日本語で困ることはなくなった。制作チームの一員としてミーティングやプレゼンテーションも行うが、あまり意識をすることもない。漢字は、書くのは難しいが、(注)「リカイチャン」という日本語の上をマウスでなぞると英語になるソフトがあり、それを使ってどんどん漢字もわかるようになったという。

 

日本の会社で働いてみての感想は?

 

(フランソワ)もちろん、日本人の仕事にかける時間と情熱はフランス人より大きいかもしれない。しかし、私は日本での生活をとても楽しんでいるので、それはあまり問題ではない。あと、勤務時間もコアタイムを守れば自分で時間を決めることも出来る。通勤ラッシュを避けて気持ちよく出勤することも可能だし、夕方から約束があれば、早く出勤して調整することもできる。また、有給も自己申請で自由に取れるので、帰国してもゆっくり出来る。他の日本の会社と比べても労働条件は悪くはないと思う。

 

外国人の社員が気持ちよく働けるために心がけていることは?

 

(高岡) 誰とでも話しやすい雰囲気を作る。例えそれが、批判的なことであっても、他のメンバーの本音は大切だ。何か不満や不安が、あっても、みんなで共有出来る様にしたい。それには、上司や幹部が上下の関係なく、みんなの意見をオープンに聞く姿勢が大切だ。私もあまり人に管理されるのは好きではない。だから、社員にもプロ意識を持って自己管理をして仕事を進めて行くことを推奨している。

あと、会社の企業理念にも掲げているし、社員の2割が外国籍ということもあり、自然と多文化への理解は、社員が共有していると思う。

それと、大阪と東京の事務所をつないで、『フランス語ランチ』『中国語ランチ』を毎週開催しており、社員がホスト役になって、東京と大阪の社員が一緒に、外国語に親しもうという試みも続けている。外国人社員と日本人社員というだけでなく、普段はあまり行き来のない、東京と大阪の現場の社員同士のコミュニケーションにも役立っている。

自分自身の能力を高めるための、本の購入やセミナーの参加なども推奨しており、一定額会社も費用を負担している。社員の能力の向上は、会社にとってもとても有益なことだ。

 

これから、外国人の人材の活用を検討している人にアドバイスは?

 

(高岡) 単に外国語が出来るとか、特別な技術などで採用するケースもあるが、色々な文化を取り入れることで、時代の変化にも対応出来る柔軟な組織になるのではないかと思う。営業企画部門などでも、外国人人材の活躍するところがもっとあるはずだ。

あと、一番大切なことは、どこまで、本気で海外との取引を考えているかということだ。国境を超えた人の行き来は今後とも増えていくであろう。日本の市場だけでは、不十分だと誰もが理解してきている。

仕事に対する考え方ももちろんその文化によって様々だ。いいところはどんどん取り入れて、会社の運営の仕方も工夫が重要だ。

 

*注)「リカイチャン」はフリーの翻訳ソフト。日本語の言葉にをマウスを重ねると、即座に読み方や意味が出る。 多くの漢字が苦手な外国人に使われている。

特集:日本の大学はどのように変わるべきか?
学生たちは何を求めているのであろうか?