2024/11/19 00:02

代表的日本人・対訳 世界に誇る日本のリーダーを英語と日本語で

編集者より

*これは読んでおきたい*

代表的日本人・対訳

世界に誇る日本のリーダーを英語と日本語で

 

This text consists of a collection of essays on five figures from Japanese history, each connected by his commitment to cosmopolitan and humanitarian values. It presents a contrasting perspective on Japanese ethics, antithetical to the nationalist spirit and philosophy of "Bushido".

著者:内村鑑三, 監訳:稲盛和夫

出版:講談社インタ-ナショナル

 

明治に生きた思想家が著者・内村鑑三。『武士道』と並んで、日本人が書いた世界的ロング・ベストセラー。ケネディが最も尊敬した日本人、上杉鷹山。 一国のリーダーだったが、生活は質素そのものだった西郷隆盛。

 飢餓寸前の農民を目の前に、「農民とともに断食をしよう」と詰め寄って融通の利かない役人をあわてさせた二宮尊徳。

 いつもの子供たちの講義が終わるまで藩主を外で待たせた中江藤樹。 既存の宗派を批判し、何年も迫害されながら一人信念を貫いた日蓮上人。世界的にも尊敬できる素晴らしいリーダーが日本にはいた。

 

敬虔なクリスチャンであった内村鑑三が選んだ代表的日本人5人は、多分に人類の救済を説いたキリスト教の聖人を彷彿させるスケールの大きな人物だった。

 

内村鑑三ぐらい明治、大正、昭和の日本に大きな足跡を残した人はいない。 明治二十四年の「不敬事件」は、天皇の神化に抵抗し、日露戦争に際しては、職を賭して非戦論を唱えたのは、あまりにも有名だ。 彼は初期の札幌農学校(現北海道大学の前身)が生んだ世界的人物なのである。 「青年よ、大志を抱け」で有名なクラーク博士の許で学んだ彼は、キリスト教の信仰に接し、 のち渡米し、アマスト大学シーリ総長から信仰の真髄を得た。

 帰国後の内村鑑三は、教育者として、社会評論家として活躍し、当時の若い人々の精神的なよりどころとなった。 そしてまた、キリスト教二千年の歴史の中で、無教会主義を唱道した世界的にも第一級の人物であった。

 

 彼の墓は、日本人としての洋式墓第一号といえよう。竿石に入れこまれた黒いパネルには、“I for Japan:Japan for the World;The World for Christ;And All for God.”と書かれている。