2024/12/20 02:16

初めて海外で開催された国際紅白歌合戦 In CEBU

イベント

初めて海外で開催された国際紅白歌合戦

国際紅白歌合戦発起人・代表 宮崎計実

2017年、8月6日、AYALA CENTERのイベント会場で、日本の外務省、観光庁、フィリピン観光省などが後援する国際紅白歌合戦が行われた。

紅白とはいっても男女で別れるのではないが、日本人は外国語で歌い、日本人以外の人たちは日本語で歌う、お互いの文化を尊重する歌の国際交流イベントとなって いる。

このイベントは、東日本大震災のあった2011年、本国に帰ることの出来ない日本定住の外国人と被災した日本人を励まそうと始まったが、その後毎年、東京で行わ れているが、海外での開催はセブが初めて。

どうして、セブだったのか?

私が、セブに来たのは4年前。

たまたま、ご縁のあった高校の英語研修の運営企画をすることになり、英語学校の視察に来た。英語の歌を1曲、発音や歌詞を含め完 全マスターし、最終日には一般の人たちの前で発表するプログラムを作った。

緊張の中、迎えた発表会だったが、彼らの堂々と歌う姿はとても頼もしく見えた。

そして、 その彼らを励まそうとフィリピンの先生たちが、隠れて練習していた日本語で歌を歌ってくれた。最後は、日本の高校生とフィリピンの先生たちが一緒になり、英語 と日本語で歌う感動的なステージになった。仕事をサボって、拍手を送るフィリピンの人たちのおおらかさもあって、単なる発表会ではなく、心のこもった立派な『日 本とフィリピンの歌の交流会』となっていた。その時、将来は、セブで国際紅白歌合戦を開催しようと心に決めた。 

いよいよ、現実になったセブ島開催

2016年東京での開催に、セブで働いていた日本人女性と一緒に、CEBU MUSIC LEARNING CENTER(CMLC)のミュージックトレーナー中原信貴さんが、一参 加者として参加した。

そして、イベント終了後、中原さんと2,3度ミーテイングを重ね、CMLCにパートナーとなってもらって開催することを決心した。 東京でもフィリピンの人たちは、イベント全体を盛上げてようと協力的だったので、セブでも何とかうまく行くのではないかと思った。

イベントの公共性、CMLCの 実績が認められ、運よく、ALAYA CENTERの協賛が得られた。そして、中原さんはじめ、CMLCのスタッフやボランテイアの人たちのサポートで、準備も進んでいった。

私は、日本からの間接的なサポートが主で、実質的な運営は、オーディションの立会いからであった。40組の申込があり、その熱気は日本以上であった。感動して、歌っ ている参加者の顔を見れないこともあった。選ばれたと連絡をもらって、涙ながらに喜んでいる参加者もいたのは印象的だった。

そして、後日、選ばれた参加者とのミーテイングを迎えたが、その際に、確認したのは、このイベントは優劣を競うものではないということ。あくまでも、CONTEST ではなく、FESTIVALであることだ。 これは、2011年の1回目の開催時から7年間一貫してのことだ。

もちろん、個人賞はあるが、本当に大切なのは、日本人は外国語で歌い、日本人以外の人は日本語 で歌いお互いの文化を尊重することである。

8月6日、いよいよ、本番を迎える 紅白チームに分かれて、他のメンバーにも声援を送る雰囲気を中原さんや司会の人たちがうまく作ってくれた。出演者がお互いを励ましあう姿を見ることはとても微 笑ましかった。

フィリピンと日本の国歌斉唱からはじまり、22組がイベントを盛上げた。 MYTVのテレビの撮影もあり、出演者もそのステージの雰囲気を楽しんでいた。

フィリピンの人たちが、日本の歌をあんなに感情を込めて歌っている姿を見るのは日本人にとっては、とても嬉しいものだった。

日本人の参加者は、長くセブに暮らす人たちが多かったが、皆さんバックグランドが様々で、ビザヤ語で歌う人までいて、セブの人たちからも喝采を浴びていた。

ゲストの日本舞踊やセブの合唱団、孤児院の子どもたちによる『翼をください』なども感動的だった。

優秀賞には、秦基博の曲を弾き語りで歌った、中華系フィリピン人の Kenichi Uangさんが選ばれた。セブ-東京往復航空券を副賞として受け取った彼は、フィリピ ン代表として、10月9日の東京開催にも参加する。

他の出演者の歌のレベルも相当なもので、誰が賞をとってもおかしくない内容だった。歌のレベルは1回目から すでに東京を超えた。

審査員をつとめてくださった、ホテルオーナーの辻さん、日本語が流暢なアレックスさんもまた来年も楽しみだねといってくださり、このイベントはこれからも続い ていくであろうと感じた。

最後になりましたが、日本人会の皆様はじめ、様々なご支援、ご助言を下さった皆様には、心より感謝しています。 また、来年も、セブでお目にかかることを楽しみにしております。

セブ島通信 Vol.161 2017年11月号 寄稿原稿 セブ日本人会発行より)

http://www.ja-cebu.com/magazine_page/current_page?id=401

IRWS website: https://www.irws.org/cebu/

Cebu Music Leaning Center  website: http://cebumusic.ph/2017/