ブラジルと日本を繋ぐ日本語教師の仕事

ブラジルと日本を繋ぐ日本語教師の仕事
ポルトガル語スピーチコンテストでお会いした、鈴木大洋さん(天理大4年)に、
日本語教師の夢についてZOOMでお聞きしました。
ブラジル人の母を持つ、鈴木さんが、大学に入って、ポルトガル語を専攻したのは、やはり、母のルーツの国をもっと理解したかったからでした。
また、日本語学校で、ブラジル人の学生たちと交流する中で、多様な文化を持つブラジルに行きたいと
いう気持ちが強くなり、卒業後は、すぐに、ブラジルに行って、生活が出来る日本語教師になることを決めました。
元々、天理教(奈良に本部かある神道系宗教団体)を家族が信仰していることもあり、ブラジルの天理教の拠点が運営する日本語学校に就職することが決まったようです。
雅楽(宮廷の伝統音楽)の楽器も演奏するので、音楽を通じた交流にも興味があったこともブラジルに行きたい理由の一つでした。
助詞や漢字を、ブラジル人に教えることは、簡単ではないけれど、お互いの文化を知り、交流することで道は開けます。
200万人以上の日系人がブラジルには暮らしていますが、雅楽などの音楽を通した交流も新たな可能性があると気づかれたようでした。日本語だけでなく、日本の文化も伝える活動を通して、ブラジルでの滞在を有意義なものにしたいと抱負を語っていました。
鈴木さんとの交流を通して多くのブラジルの人たちが日本に興味を持ってくれるだろうと確信し
うれしい気持ちになりました。どんどん、日本のファンを作ってほしいと思います。
ブラジルと日本の間で、文化交流や言語教育を通じて両国を結ぶ重要な役割を果たしているのが、日本語教師です。特にブラジルには世界最大の日系人コミュニティがあり、日本語教育の需要が非常に高まっています。
日本語教育の需要
ブラジルは南米最大の日本語教育国であり、多くのブラジル人が日本語を学びたいという願望を持っています。2023年のデータによると、ブラジルには20,732人の日本語学習者がいます。このような背景から、日本語教師の需要は非常に高まっています。
日本語教師の状況
ブラジルで働く日本語教師は942名で、特にポルトガル語を媒介として日本語を教えられる日本人教師が求められています。日本語教師は、主にブラジル人成人学習者向けの日本語学校や日系人向けの日本語学校で働いています。
ブラジルで日本語教師として働くための資格取得方法には、以下のような選択肢があります:
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日本語教師養成講座の修了
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420時間の日本語教師養成講座を修了することが一般的な方法です。
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ブラジル日本語センター(CBLJ)では、2024年5月から2025年7月まで第36期日本語教師養成講座を開講予定です。
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大学での日本語教育専攻
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大学や大学院で日本語教育を主専攻または副専攻として履修・卒業することも資格要件となります。
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日本語教育能力検定試験の合格
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この試験に合格することで、日本語教師としての能力が認められます。
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2024年4月以降の「登録日本語教員」資格の取得
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この新しい資格は、海外で働く際に有利になる可能性があります。
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ただし、ブラジルの民間日本語学校では必ずしも公式な資格が必要ではない場合もあります。例えば、以下のような条件で採用されることもあります:
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コミュニケーション力がある
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子供に教えるのが好き
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日本文化(着付け、茶道、書道など)に関する知識や経験がある。
JICA海外協力隊として参加する場合は、上記の資格に加えて実務経験(2〜5年程度)が求められることがあります。
なお、ブラジルで日本語教師として働くためには、ポルトガル語能力があるとより有利になります。