2025/04/19 05:08

ベナンの農業に日本の技術で貢献したい

国際人

国際紅白歌合戦にも出場した、ベナンの留学生、ミガンさんにお話を聞きました。

ミガンさん、国際紅白歌合戦での長渕剛さんの『トンボ』のパフォーマンス、素晴らしかったですね!今日は日本のロボット工学を学ぶまでの道のりを伺いたいのですが、まずは高校時代の夢から教えてください。


もともとは医者を目指していたんです。でも、医学部は学費も時間もかかると知り……。そこで「AIやロボットを学べば、人の役に立つものを作れるのでは」と考え直しました。ベナンの大学で電気電子工学を学び始めたのですが、母国にはロボット工学を専門に学べる場所がなくて。


そこから日本留学を決意されたのですか?


ええ。調べると、世界の産業用ロボットの6割が日本製だと知り衝撃を受けました。「ここで学ぶしかない」と。でもまずは日本語の習得が必要で……(笑顔で)大使館に問い合わせたら、なんと地元に無料の日本語学校があったんです!ゾマホンさんが設立した「たけし日本語学校」です。


その学校はどんな雰囲気でしたか?

教室の奥に北野たけしさんの写真が飾られ、習字や折り紙が並ぶ日本そのものの空間でした。日本人の先生と100人ほどの生徒がいて、文化も言葉も深く学べました。大学に通いながら5年間通いましたよ。


日本企業での経験を経て、神戸留学を実現されたとか?

大学院卒業後、ベナンの日系企業に就職し、そこでJICAの奨学金を知りました。社長の協力を得て応募し、2022年10月に神戸情報大学院大学へ。2年間の修士課程を修了後、現在は甲南大学で博士後期課程に在籍しています。


具体的な研究内容は?


ベナンの主食であるトウモロコシの収穫ロボット開発です!AIで熟成度を判別し、傷つけずに収穫する仕組みを研究中。神戸市のアフリカビジネスコンテストでは学生賞を受賞し、ボーダレスジャパンの田口社長との出会いも大きな刺激になりました。


日本生活で印象的だったことは?


まず驚いたのはお年寄りの元気さ!電車の便利さ、炊飯器の革命的な機能にも感動しました(笑)。つけ麺は大好物ですが、ワサビの辛さにはびっくり……。あと、長渕剛さんのライブには2回も行きました!日本語学校時代に『乾杯』を教わり、憧れていたんです。


今後の目標は?

収穫ロボットをベナンだけでなく、世界中に広めたい。甲南大学で合気道を習い、留学生や地域の子どもたちと交流する中で、技術と人間の繋がりの大切さを実感しています。博士号取得後は母国で教鞭を取り、日本で得た知識を還元する——これが私の使命だと思っています。

こんな大きな夢を真剣に語る留学生と離すのはとっても楽しい体験です。ベナンの日本語学校では、日本語だけでなく、日本人の考え方、人との接し方なども教えてもらったようで、とても楽しく、お話を聞かせて頂きました。ミガンさんの夢が叶って、将来もっとたくさんの留学生がベナンから来ることを願っております。