「幸せになる国際結婚」---子供の名前編。
他人ごとではない!!全国で20組に1組。
東京、大阪では、10組に1組が国際結婚の時代
―多文化家庭支援センターからー NO.9
「幸せになる国際結婚」---子供の名前編。
国際結婚に限りませんが,物事がうまく行かない時と言うのは往々にして,私達の物の見方や姿勢が何かにとらわれていたり,全体が見えなくなっていたりするものです。
イタリア人と結婚をしているあるご婦人のお話を伺いました。
彼女は25年間そのイタリア人の男性と連れ添っていましたが,国際結婚をした事をとっても悔いていました。彼と知り合って,結婚生活を始めたのはイタリアだったそうです。そこで子供が二人生まれ,幸せに暮らしていましたが,何らかの事務手続き上の問題が生じて,彼女は日本に帰って来なければならなくなりました。もちろんご家族も一緒でした。ただ,元々日本に来て住む予定等無かったので,ご主人は日本に対する知識も無く,勿論日本語も話せませんでした。日本に来てから三人目の子供も生まれました。問題はその後に発生しました。
イタリアで生んでイタリアで育てる予定だった子供達です。長男の名前は地元の人につけてもらいました。イタリアでは素敵な名前でしたが,日本でその名前をよぶと、とても滑稽な響きになるのです。
ちょうど日本に来た時と小学校に上がる時が一緒だった長男は、あらゆるところでその名前のために笑われたり,馬鹿にされたり,おとなからでさえ、冗談を言っていると思われて叱られる事も数えきれないほど起きたのだそうです。
段々子供は学校にも行かなくなり,その理由を名前のせいだと言うと,夫はイタリア語を馬鹿にされたと言って怒り、子供に誇りを持って育てられない奥さんを責めました。はじめはそんな事がきっかけでしたが,文化の違い,プライドの傷つけ合いが絶える事なく,子供のためにと離婚こそしなかったけれどもこの20年近くは地獄のような思いで,生活して来たと言って,婦人はさめざめと泣いていました。
「日本語の名前を付けてあげれば良かったじゃないですか」と言うと,ご婦人は、「えっ、そんな事ができるのですか?」とびっくりして聞き返しました。
「相当の理由がある場合は家庭裁判所に行って,戸籍の名前を変更する事が出来るのですよ。国際結婚で,発音に問題があるからという理由ならば,ミドルネームとして加える等,問題なく変えられたと思いますよ。イタリア人としての名前に誇りを持つ事と,人から馬鹿にされずに済む日本の名前を持つ事とは,決して矛盾する事ではありませんから。」と言うと,ご婦人の顔色が見る間に変わっていきました。「どうしてそんな事がわからなかったのでしょう!そんな簡単な事が最初に分かっていたら,もしかしたら,この20年間こんなに苦しまなくても済んでいたかもしれないのに!」
笑い話のような内容ですが,実際に起きていた事でした。
ほんの些細な情報や気付きがあったかなかったかで,人生が大きく変わってしまう事もあるのです。
困ったときは誰でも良いですから助けを求めてみましょう。どこかで解決への糸口が見つかるはずです。20年も苦しまなくても。。。。。。
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多文化家庭支援センターから 「幸せになる国際結婚」
1. 本当に幸せな結婚とは?
9. 世界をつなぐ国際結婚 8