2024/12/20 04:22

医療分野での多文化共生のパイオニア

イベント

(2008年の取材記事です)

 

日本に長期滞在する外国人の人たちが増えるにつれ、日本で出産する外国人女性が急増しています。しかし、まだまだ言葉のハンディを乗り越えて子供を生み、育てるのは大変なこと。その現状を少しでも改善しようと日々奮闘されている、出産を向える外国人女性の看護研究のパイオニア、助産師であり研究者でもある藤原ゆかりさんに話を聞きました。
 
 
Q:どうして、外国人女性のサポートをしようと思ったのですか?

★たまたま、外国人が多く受診する新宿区の病院で勤務した経験があり、
そこで、いろいろな民族の人たちの出産に立ち合いました。言葉の問題や文化の違いで、精神的にも、肉体的にも大きな負担になっていると感じました。それが、この分野についてもっと経験をつんだり、研究したりしようと思ったきっかけです。
オーストラリアでの異文化介護の研究と実地での経験はとても貴重なものでした。
移民の国ですのでいろいろな国の人たちが共に暮らしていく基盤のようなものが出来ているのを感じました。日本とオーストラリアは外国人に対する人々の考え方や国の体制が全く違うのでそのまま比べても仕方ありませんが、日本でも外国人の女性の出産はますます増えていくと思いますので私としては、多くの医療者の方々に関心を持ってもらいたいと思っています。

Q:具体的にはどんな活動をしていますか?

★外国人妊産婦向けの多言語の冊子(注1)を作って、それを配布しています。
また、同時に医療者の人たちにも外国人の妊産婦さんがおかれている状況を理解してもらい、出来るだけ密にコミュニケーションをとってもらえるように働きかけています。
その冊子の製作においては多くに人たちのご協力を頂きました。
これからも、より多くの医療者に多文化医療の現状を少しでも理解してもらい『外国人にやさしい医療』を目指していきたいですね。

(注1)その多言語の冊子はRASCのホームページより自由にダンウンロードできる。
お友達で妊産婦の外国人の人がいればぜひとも教えてあげよう。
http://www.rasc.jp/

センサップ編集部では、多文化看護の分野活躍する藤原さんの活動を定期的に紙面でお知らせしていきます。お楽しみに。
 

藤原ゆかりさん プロフィール

 
助産師、看護師。外国人が多く受診する新宿区の病院で勤務した経験をもつ
その後オーストラリアのシドニー大学で異文化看護を学び、教員経験を経て現
在は聖路加看護大学の博士課程在籍中。
在日外国人支援のNPOやサポートグループにも参加し、在日外国人母子への
出産に関連するケアを医療側からどのように考えていけるかを模索中である。
多文化医療サービス研究会(RASC)の共同代表。《ラスク(RASC)とは、多文化医療サービス研究会の略です。外国人のみなさんが、日本人と同じ医療を受けられるようにサポートすることを目標としています。http://www.rasc.jp/ 
 

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