教育シンポジウム:「日本一の教育力を問う!」
1月9日、文部科学省の全国学力調査で三年連続トップクラスの成績を収める福井県と、同様に上位に名を連ねる秋田に学ぼうと、日本教育大学院大学の主催でシンポジウムが行われた。「日本一の教育力を問う!」と銘打ち、教育行政の現状、両県の取り組みや工夫などが披露された。
基調講演では、両県の教育をテーマとした本の著者2人が登場した。秋田県側からは「秋田県・学力トップクラスの秘密」の阿部昇教授(秋田大学教育文化学部)が、同県で行われた調査の結果を披露し、学力トップクラスの要因を明らかにした。最も重要な4つは、「熱心で落ち着いて学習する」、「考えを話したり書いたりする学習及び話し合い意見交換をする学習」、「補充的な学習及び少人数学習・個別指導」、「家庭での学習習慣の定着」と分かった。
一方、福井県側からは「福井県の教育の秘密 ぶれない価値観と子供の距離間」の太田あや氏が、「学力日本一」を掲げる同県の教育の特徴などを紹介した。その中でも、学生、親、先生間の親密な結び付きや、堅実に培っている「子供を守る」との価値観の根強さが印象的であった。
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参加者の感想
現在の日本で、学力低下が大きな問題となっている。このシンポジウムに出席して強く印象に残ったことは、両県では日常生活における習慣や、学校、家庭、地域全体の環境が大きな影響を与えているということである。そのような環境はあって当然のことだと思うかもしれないが、現在の日本、特に都市部の方では、受験志向や「受身一辺倒」との教育方法がまだ優先であろう。その結果、塾に無理やり行かせたり、勉強に対する熱意の育成を怠ったりするという悪習慣によって、先ほど言った教育にとっての理想的な環境がまだ成り立っていない所が多いのではないかと思う。(M大学 L氏)
お問い合わせ
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