努力と感謝の気持ちで自分の道を切り開こう 外国人看護士の挑戦
看護師候補生の挑戦する気持ちと彼らを本当の家族のように支えた人たちの思いが奇跡を生んだ。
『あいうえお』からスタートしてわずか2年足らずで日本の看護師国家試験に奇跡的に合格したインドネシア人看護師リア・アグスティナさんとヤレド・フェブリアン・フェルナンデスさん。多くのEPA(経済連携協定)で来日している看護師・介護福祉士候補生のみならず、彼らを日々サポートしている関係者にも大きな勇気を与えた。
《インドネシアの2人が看護師国家試験に合格!!》
レイクランド大学ジャパンキャンパスに通う中国(モンゴル自治区)の留学生スチントヤさんがお二人にお話をお聞きしました。
Q1:看護師国家試験に合格本当におめでとうございます。短期間の準備での合格で多くの日本人も驚いていますが、どのように勉強をしたのですか?
A1:(リアさん)日本に来てまだ2ヶ月の時、病院の人たちが本番の国家試験の問題を見せてくれたんですね。その当時はほとんど読むことすら出来ませんでした。他の多くの候補生はやる気をなくしていましたが、私は同じ人間だから出来ないことはないと思い、一人でも合格してみせると心に誓いました。6ヶ月の日本語の集中トレーニング終了後、午前中は病院で看護アシスタントとして勤務し、午後からは病院の中で先生について勉強をしました。漢字を覚えるには時間がかかりますが、見て、意味を理解することに集中し、書く練習はあまりしませんでした。
私たちをサポートして下さった先生達も本当に親切、丁寧に教えてくれました。日本語も練習問題を解きながら、実践的に勉強していったので、効率もよく、飽きることなく勉強を続けることが出来ました。わからないことはその場ですぐ聞いて、覚えるようにしました。また不得意な科目は先生達がやさしく問題の解説をしてくれました。これもとても助かりましたね。しかし、日本語も覚えながらの授業だったので、先生達は私たちを教えることはとても大変だったと思います。本当に有難うございました。
(フェルナンデスさん)最初は本当に大変でしたが、リアさんの頑張る姿に励まされました。新潟県三条市の三之町病院に来てからは、午前中は勤務、午後からは院長先生はじめ、多くのスタッフの方々から国家試験の勉強について徹底的に教えてもらいました。とにかくたくさんの問題を解くことを心がけました。勉強の毎日でしたが、多くのスタッフの方々が私たちのために忙しい時間をさいてくれたので、私たちも勉強が仕事だと思い、日々工夫しながら合格するための効率のいい方法を考えました。6ヶ月の集中研修後は、日本語の勉強を別にしている時間はありませんでしたので、病院の先生と相談して、試験問題を解くことに集中し、日本語は問題を解きながら必要に応じて覚えていくことにしました。結果的にはこれがよかったみたいで、5年分の過去問題を解く練習をすることが出来できました。日本語勉強の不足分は、いつも辞書を持ち歩き、わからないことはすぐ辞書を引いて覚えて、その表現を出来るだけ使うようにして補いました。
日本語を話し、日本語で考える環境にいること自体が勉強で、日々上達が実感でき面白かったです。
Q2:サポートしてくれた新潟県三条市の三之町病院はとても家庭的な雰囲気だったようですね。
《ボーリング大会》
《病院の皆さんとバーベキュー》
《お世話になった担当者の樋口博一さんと》
A2:(フェルナンデスさん)鎌田院長先生の“私はあなた達の日本のお父さんだから遠慮しないで何でもいいなさい。”という言葉でとても安心して新潟の生活をスタートすることが出来ました。病院のスタッフの人たちも同じようにとても暖かく、時には厳しく本当の家族のように接してくれました。皆さんのお陰で安心して生活が出来、勉強に集中することが出来ました。
休みの日には、私たちが寂しくならないように、他のインドネシアの候補生が住む町に連れて行ってくれたり、ボーリングやバーベキューにも誘ってもらって勉強以外にも楽しいことがたくさんありました。剣道やバレーボールのクラブ活動もいいストレス解消になりましたね。国家試験に合格でき、私たちのために一生懸命サポートしてくれた方々に恩返しが出来てとてもうれしかったです。
(リアさん)私たちがテレビで紹介されたこともあり、買い物をしているときに三条市の街の人たちも時々頑張ってねと声をかけてくれました。三条市は雪が多く私たちにはとても寒いところですが、病院の人たちはもちろん、街の人たちもとっても暖かい人が多かったです。街の人たちまで私たちを応援してくれていることを知って、皆さんへの恩返しのためにも絶対合格してみせると心に誓いました。寒さにはまだ慣れませんがこの町で看護師として頑張っていきたいです。
《三之町病院、ガルーダサポーターズの皆さんと》
Q3:今、国家試験を目指してがんばっているEPA候補生や留学生の皆さんに応援メッセージをお願いします。
A3:(リアさん)私にも出来たんだから皆さんにもきっと出来るはずです。日本に来た時の気持ちを思い出して目標達成まで頑張りましょう。
(フェルナンデスさん)私はリアさんとお互い励ましあって勉強をしてきました。勉強は孤立しがちですが、一緒にいる仲間とお互い励まし合って頑張りましょう。正直合格する自信は全くありませんでしたが、試験当日、次々と予想していた問題が出てきました。神様も助けてくれたと思います。ベストを尽くせば奇跡は起こります。私たちも皆さんを応援していますので、最後まで全力で頑張ってください。
《合格祝いのお礼をいうフェルナンデスさん》
2008年来日の第一期EPA候補生には、来年2月の看護師国家試験が最後のチャンスになる。漢字も全くわからない人たちに3年以内の合格を求めるのはとても厳しいことだ。しかし、逆にいうと、この状況下においても頑張ることが出来た人たちなら、日本の病院や社会も彼らを無条件に暖かく迎えてくれるに違いない。2人の合格の話は、現場で彼らを支える病院のスタッフ、日本語教師の人たちにも大きな勇気を与えた。本人が感謝の気持ちを持って努力し、それを支える人たちの熱い気持ちがあればこの状況を打破できるかもしれない。いろいろな難関に挑んでいる人たちも、周りの人たちに感謝し、自分を信じてベストを尽くしてほしい。
インタビューした留学生の感想
リアさんとフェルナンデスさんの二人にインタビューして印象的だったのは二人とも相手(院長先生や支えてくれたまわりの人々)への感謝の気持ちを強く持っているところでした。また、試験勉強で、ただがむしゃらに頑張るのではなく、勉強のコツもきちんと考えて進めていたところが成功の秘訣だと思いました。リアさんの「他の人にできることなら、自分にもできる。他の人ができてないなら、自分がやってみせる」という強い心が今回の成功に繋がり、フェルナンデスさんの「不可能なことはない、何もやらないより、何かをやっていたほうがいいです。」という考えが奇跡を起こしたと思います。本当に二人から大きな勇気をもらいました。他の留学生達にとっても大きな励みになると思います。
スチントヤさん
(レイクランド大学ジャパンキャンパス英語課程)
《インドネシアの2人が看護師国家試験に合格!!》
レイクランド大学ジャパンキャンパスに通う中国(モンゴル自治区)の留学生スチントヤさんがお二人にお話をお聞きしました。
Q1:看護師国家試験に合格本当におめでとうございます。短期間の準備での合格で多くの日本人も驚いていますが、どのように勉強をしたのですか?
A1:(リアさん)日本に来てまだ2ヶ月の時、病院の人たちが本番の国家試験の問題を見せてくれたんですね。その当時はほとんど読むことすら出来ませんでした。他の多くの候補生はやる気をなくしていましたが、私は同じ人間だから出来ないことはないと思い、一人でも合格してみせると心に誓いました。6ヶ月の日本語の集中トレーニング終了後、午前中は病院で看護アシスタントとして勤務し、午後からは病院の中で先生について勉強をしました。漢字を覚えるには時間がかかりますが、見て、意味を理解することに集中し、書く練習はあまりしませんでした。
私たちをサポートして下さった先生達も本当に親切、丁寧に教えてくれました。日本語も練習問題を解きながら、実践的に勉強していったので、効率もよく、飽きることなく勉強を続けることが出来ました。わからないことはその場ですぐ聞いて、覚えるようにしました。また不得意な科目は先生達がやさしく問題の解説をしてくれました。これもとても助かりましたね。しかし、日本語も覚えながらの授業だったので、先生達は私たちを教えることはとても大変だったと思います。本当に有難うございました。
(フェルナンデスさん)最初は本当に大変でしたが、リアさんの頑張る姿に励まされました。新潟県三条市の三之町病院に来てからは、午前中は勤務、午後からは院長先生はじめ、多くのスタッフの方々から国家試験の勉強について徹底的に教えてもらいました。とにかくたくさんの問題を解くことを心がけました。勉強の毎日でしたが、多くのスタッフの方々が私たちのために忙しい時間をさいてくれたので、私たちも勉強が仕事だと思い、日々工夫しながら合格するための効率のいい方法を考えました。6ヶ月の集中研修後は、日本語の勉強を別にしている時間はありませんでしたので、病院の先生と相談して、試験問題を解くことに集中し、日本語は問題を解きながら必要に応じて覚えていくことにしました。結果的にはこれがよかったみたいで、5年分の過去問題を解く練習をすることが出来できました。日本語勉強の不足分は、いつも辞書を持ち歩き、わからないことはすぐ辞書を引いて覚えて、その表現を出来るだけ使うようにして補いました。
日本語を話し、日本語で考える環境にいること自体が勉強で、日々上達が実感でき面白かったです。
Q2:サポートしてくれた新潟県三条市の三之町病院はとても家庭的な雰囲気だったようですね。
《ボーリング大会》
《病院の皆さんとバーベキュー》
《お世話になった担当者の樋口博一さんと》
A2:(フェルナンデスさん)鎌田院長先生の“私はあなた達の日本のお父さんだから遠慮しないで何でもいいなさい。”という言葉でとても安心して新潟の生活をスタートすることが出来ました。病院のスタッフの人たちも同じようにとても暖かく、時には厳しく本当の家族のように接してくれました。皆さんのお陰で安心して生活が出来、勉強に集中することが出来ました。
休みの日には、私たちが寂しくならないように、他のインドネシアの候補生が住む町に連れて行ってくれたり、ボーリングやバーベキューにも誘ってもらって勉強以外にも楽しいことがたくさんありました。剣道やバレーボールのクラブ活動もいいストレス解消になりましたね。国家試験に合格でき、私たちのために一生懸命サポートしてくれた方々に恩返しが出来てとてもうれしかったです。
(リアさん)私たちがテレビで紹介されたこともあり、買い物をしているときに三条市の街の人たちも時々頑張ってねと声をかけてくれました。三条市は雪が多く私たちにはとても寒いところですが、病院の人たちはもちろん、街の人たちもとっても暖かい人が多かったです。街の人たちまで私たちを応援してくれていることを知って、皆さんへの恩返しのためにも絶対合格してみせると心に誓いました。寒さにはまだ慣れませんがこの町で看護師として頑張っていきたいです。
《三之町病院、ガルーダサポーターズの皆さんと》
Q3:今、国家試験を目指してがんばっているEPA候補生や留学生の皆さんに応援メッセージをお願いします。
A3:(リアさん)私にも出来たんだから皆さんにもきっと出来るはずです。日本に来た時の気持ちを思い出して目標達成まで頑張りましょう。
(フェルナンデスさん)私はリアさんとお互い励ましあって勉強をしてきました。勉強は孤立しがちですが、一緒にいる仲間とお互い励まし合って頑張りましょう。正直合格する自信は全くありませんでしたが、試験当日、次々と予想していた問題が出てきました。神様も助けてくれたと思います。ベストを尽くせば奇跡は起こります。私たちも皆さんを応援していますので、最後まで全力で頑張ってください。
《合格祝いのお礼をいうフェルナンデスさん》
2008年来日の第一期EPA候補生には、来年2月の看護師国家試験が最後のチャンスになる。漢字も全くわからない人たちに3年以内の合格を求めるのはとても厳しいことだ。しかし、逆にいうと、この状況下においても頑張ることが出来た人たちなら、日本の病院や社会も彼らを無条件に暖かく迎えてくれるに違いない。2人の合格の話は、現場で彼らを支える病院のスタッフ、日本語教師の人たちにも大きな勇気を与えた。本人が感謝の気持ちを持って努力し、それを支える人たちの熱い気持ちがあればこの状況を打破できるかもしれない。いろいろな難関に挑んでいる人たちも、周りの人たちに感謝し、自分を信じてベストを尽くしてほしい。
インタビューした留学生の感想
リアさんとフェルナンデスさんの二人にインタビューして印象的だったのは二人とも相手(院長先生や支えてくれたまわりの人々)への感謝の気持ちを強く持っているところでした。また、試験勉強で、ただがむしゃらに頑張るのではなく、勉強のコツもきちんと考えて進めていたところが成功の秘訣だと思いました。リアさんの「他の人にできることなら、自分にもできる。他の人ができてないなら、自分がやってみせる」という強い心が今回の成功に繋がり、フェルナンデスさんの「不可能なことはない、何もやらないより、何かをやっていたほうがいいです。」という考えが奇跡を起こしたと思います。本当に二人から大きな勇気をもらいました。他の留学生達にとっても大きな励みになると思います。
スチントヤさん
(レイクランド大学ジャパンキャンパス英語課程)
日本の医療の未来のために私たちはあきらめない!!
《会場全員参加の大討論会》
《期待を受けて始まったEPA制度による受け入れであったが、、》
EPA(経済連携協定)を通じてインドネシアやフィリピンの看護師・介護福祉士候補の応募者、受入れ機関数とも年々減少している。受入れ機関では、経済的・人的負担の大きさ、候補者には日本語、国家試験のハードルの高さが問題になっている。その現状をふまえて、双方の意見も聞きながら、現実的な問題と対処している専門家のボランテイア集団がガルーダサポーターズだ。
ガルーダサポーターズでは今年1月すでに、厚生労働省にスキームの見直しの政策提言を出し一定の評価は受けたが、まだまだ本格的な改善にはいたっていない。それを受けて、7月3日、東京広尾のJICA地球広場にてガルーダサポーターズ主催の『EPA受け入れスキームのゆくえ』と題し、看護・介護の専門家、大学教授、多文化政策の専門家、ベテラン日本語教師・NPO代表など100名以上の関係者が集まり、この大きな問題の抜本的な解決策を探るべく、熱のこもったオープンディスカッションが行われた。
海外の労働問題に詳しい安里准教授(京都大)によると、看護・介護の人材はどの先進国も海外からのスタッフに頼っているのが現状だ。欧米はもちろん、アジアの国々でも外国籍のスタッフの活躍が目立つ。シンガポール99%・台湾、香港でも40%以上のスタッフが外国籍だ。すでに国際的には看護・介護人材の獲得競争も激しくなっている。
今は、EPAの是非を話し合っている場合ではなく、どうすれば、外国人看護師・介護福祉士を安心して無理なく受入れられるかを考えていこう。そして、関係者が一丸となって全力をつくし行政に訴え続けていこうと激論は締めくくられた。現状の日本人看護師・介護福祉士の待遇の問題も含め、このような建設的な討論がいろいろなレベルで行われれば、この大きな問題もいずれは解決されると確信している。
ガルーダサポーターズ
日本・インドネシア経済連携協定(EPA)に基づく看護師及び介護福祉士候補者の受入システムの改善を求めるべく結成されたいろいろな分野から集まった専門家・実務家ボランテイア集団。2010年1月に提出された政策提言は関係省庁からも評価されマスコミでも取り上げられ大きな反響を呼んだ。
共同代表・事務局長 宮崎和加子氏
〒120-0022
東京都足立区柳原1-9-13 TEL:03-5284-3706 FAX:03-5284-3707
e-mail info@garuda-net.jp
ホームページ http://garuda-net.jp
(*ガルーダサポーターズの政策提言はホームページよりご覧頂けます。)
《会場全員参加の大討論会》
《期待を受けて始まったEPA制度による受け入れであったが、、》
EPA(経済連携協定)を通じてインドネシアやフィリピンの看護師・介護福祉士候補の応募者、受入れ機関数とも年々減少している。受入れ機関では、経済的・人的負担の大きさ、候補者には日本語、国家試験のハードルの高さが問題になっている。その現状をふまえて、双方の意見も聞きながら、現実的な問題と対処している専門家のボランテイア集団がガルーダサポーターズだ。
ガルーダサポーターズでは今年1月すでに、厚生労働省にスキームの見直しの政策提言を出し一定の評価は受けたが、まだまだ本格的な改善にはいたっていない。それを受けて、7月3日、東京広尾のJICA地球広場にてガルーダサポーターズ主催の『EPA受け入れスキームのゆくえ』と題し、看護・介護の専門家、大学教授、多文化政策の専門家、ベテラン日本語教師・NPO代表など100名以上の関係者が集まり、この大きな問題の抜本的な解決策を探るべく、熱のこもったオープンディスカッションが行われた。
海外の労働問題に詳しい安里准教授(京都大)によると、看護・介護の人材はどの先進国も海外からのスタッフに頼っているのが現状だ。欧米はもちろん、アジアの国々でも外国籍のスタッフの活躍が目立つ。シンガポール99%・台湾、香港でも40%以上のスタッフが外国籍だ。すでに国際的には看護・介護人材の獲得競争も激しくなっている。
今は、EPAの是非を話し合っている場合ではなく、どうすれば、外国人看護師・介護福祉士を安心して無理なく受入れられるかを考えていこう。そして、関係者が一丸となって全力をつくし行政に訴え続けていこうと激論は締めくくられた。現状の日本人看護師・介護福祉士の待遇の問題も含め、このような建設的な討論がいろいろなレベルで行われれば、この大きな問題もいずれは解決されると確信している。
ガルーダサポーターズ
日本・インドネシア経済連携協定(EPA)に基づく看護師及び介護福祉士候補者の受入システムの改善を求めるべく結成されたいろいろな分野から集まった専門家・実務家ボランテイア集団。2010年1月に提出された政策提言は関係省庁からも評価されマスコミでも取り上げられ大きな反響を呼んだ。
共同代表・事務局長 宮崎和加子氏
〒120-0022
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e-mail info@garuda-net.jp
ホームページ http://garuda-net.jp
(*ガルーダサポーターズの政策提言はホームページよりご覧頂けます。)