2024/12/04 02:15

外国人スタッフの受け入れについて

みんなの生活
藤原ゆかりさん

多文化医療サービス研究会(RASC)の元共同代表
 
多文化医療サービス研究会(RASC:ラスク)は、いろいろなエリアの人々が集まって、日本語のサポートを必要とする外国人への医療サービスをよりよいものにしていくために情報交換、勉強会、啓蒙活動、研究活動などを通じて社会に貢献することを目的としています。

http://www.rasc.jp/

 
介護の現場でインドネシアからの研修生の受け入れが始まっている。しかし、人材の育成とその後の雇用にはいろいろな課題や制約があり、すぐに戦力になってもらうには難しい状況である。
根本的に医療の中で外国人を雇用することについては賛成ではない意見が多い。それはまず言葉の問題が根底となっているためである。ミスの許されない医療現場において、正しく情報を伝え理解して行動することが大前提であるためだ。もちろん行政や教育にかかわることなど問題は多岐にわたり、一概に何が問題の核となっているかを説明するのは難しい。一方で、病院では外国人が受診している状況であり、単純に言うと医療は受けられても提供する側になれない。

外国人の出産が増えている昨今、出産現場こそ外国人スタッフが必要なのかもしれない。産科医師が不足している中、医療機器の開発で医療を便利で正確さを追及した機器に依存していく中、今後ハイテク機械に囲まれての出産になる可能性もないとはいえない。しかし、生命の誕生は、やはり人から人へ。人が生まれるのを人が手を出して助けることが基本なのではないか?それが日本人であるとか、そうでないとか、というは問題ではなく、言葉が通じなくても気持ちが通い合う人、安心する人あるいは信頼できる人、というのは存在するものだ。そんな人と一緒にお産することが「満足のいく出産」なのではないだろうか?

外国人スタッフ雇用の問題は多い。しかしメリットも多いといえる。良いことと悪いことは裏表である。一見、悪いことあるいは問題と思えることも、視点を変えれば良いことになる場合もある。人種や民族が関係なく一緒に働くことは、お互いを理解する手立てになる。就職の制限がなく自由に選択できることも多文化共生を作っていく一助となるのではないだろうか?介護の現場だけでなく、医療にも外国人スタッフが受け入れられることを願っている。
 

医療分野での多文化共生のパイオニア

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