これからの大学の姿を考える
これからの大学の姿を考える
震災後の日本社会の変革、ピーター・ドラッカーから学ぶ
明治大学『文明とマネジメント研究所』は、大学生と社会人が共に学べる場を提供しようと『ドラッカー学会』の支援を得て、11月19日(土)に記念シンポジウムを行った。
『日本社会の病根「劣化する知性」を 打破するには?』と題して話した、阪井教授は同学年だけで学ぶ今の教育システム自体に問題があるのではないかという提言。阪井教授のクラスは一般の人にいつでも公開されており、学生たちも授業の中で多くの社会経験のある人たちと意見を交える機会があるという。大学という学びの場で、学生を社会から隔離するのではなく、社会経験のある人たちに自由に授業に参加してもらえるような体制を作ることが大切だということであった。
『ドラッカーと世阿弥-新しさのマネジメント』と題して土屋教授は、30年に及ぶ『能』のプロモーションの経験から、日本には、600年前に世阿弥という時代の流れを読むドラッカーのような天才が存在したと紹介された。
ピーター・ドラッカーの著書は、経営のバイブルとして多くの会社経営者や社会的リーダーに読まれているが、『大学』という場で、世代を超えて学ぶ機会が提供されることは大変有意義なことだろう。最後のパネルディスカッションでもとても印象的なコメントがあった。『東日本大震災の被災地では、多くのやる気を失った大人を尻目に、子供たちは大変元気に生活をしている。精神的にも大きな痛手を受けているはずの彼らであるが、自己防衛的に、回りの大きな環境の変化に自分自身で対応しようとしている。幼くしてこのような経験した彼らから日本を作り変えるようなリーダーが必ず育ってくるであろう。』
ドラッカーの言葉にあるように、大学自体も大きな変革の時代を迎えて常に変わっていかなければならないのではないか?