2024/11/19 06:37
編集者より
グローバルコミュニティー2009年6月号の記事
○アジアの為のオリンピック
○『たとえ、明日地球が滅ぼうとも君はリンゴの木を植えるだろう』
○観光は平和の象徴、観光産業は21世紀の最大の産業
○新しい発見が多かった実地観光勉強会
○通訳ガイドボランティアは就職に役立つ?
○HIMEKAがついにデビュー
*イベント関連*
○留学生・グローバル学生の合同会社説明会
○高島平プロジェクト NO4
○夢いっぱいの入学式
○2016年オリンピックで日本がするべきこと
○「ゴルコン」の次は「ビリコン」!!
○新しい発見が多かった実地観光勉強会
*みんなの生活*
○13歳でデビューした韓国の人気トロット歌手 その2
○韓国語を学ぶ学生に聞きました
○司馬遼太郎記念館と『洪庵のたいまつ』
○『たとえ、明日地球が滅ぼうとも君はリンゴの木を植えるだろう』
○少人数で自由な雰囲気で英語を勉強しよう
○英語と経済を同時に勉強しちゃおう!!
グローバルコミュニティー 8月号
頭を垂れてはいけません。常に高く保つのです。
世界をその目でまっすぐ見るのです。
(ヘレン・ケラー)
心のバリアフリー
○出会いが人生を変える
○走るアーティストが語るパラリンピックの魅力
○異文化交流の決め手は言葉
*イベント関連*
○夜の東京を歩こう オリンピックを東京に呼ぼう
○世界中に親戚を作ろう!!
○11万人の若きボランティアの人たちの思い
○ワーキング・ホリデー体験者の集い
*みんなの生活*
○ごはんミュージアムにようこそ!!
○留学生のための就職セミナー
○高島平再生プロジェクト NO.5
○理想の賃貸住宅”のアイデアを募集( 1等賞金 20万)
○ECOハウスの建設 こだわりの木の家
○英語と経済を同時に勉強しちゃおう!!
「日本の心」(作家・境野勝悟)より
『蟹工船』という小説を書いた小林多喜二という作家がいます。
この人は戦前、思想・社会運動を取り締まる特高警察に検挙されました。
取り調べといっても実際には、竹刀やムチで打たれたり、
投げられたりする毎日で、
目は腫れ、口は裂け、髪の毛もずぼっと抜けるなどのひどい拷問でした。
多喜二はやがて東京・多摩の刑務所に入れられますが、
北海道の小樽にいる多喜二のお母さんに、
5分間だけ面会が許されることになりました。
字の読めないお母さんは、刑務所からの手紙を読んでくれた人に、
「5分もいらない。1秒でも2秒でもいい。
生きているうちに多喜二に会いたい」
と訴えました。
貧乏のどん底だったので、
近所の人になんとか往復の汽車賃だけを借りて雪が舞う小樽を発ち、
汽車を乗り継いで指定時間の30分前に刑務所に着きました。
看守がその姿を見て、あまりにも寒そうなので火鉢を持ってきました。
するとお母さんは、
「多喜二も火にあたっていないんだから、私もいいです」
と、火鉢をよたよたと抱えて面会室の端に置きました。
今度は別の看守が朝に食い残したうどんを温め直して差し出しました。
お母さんは車中、ほとんど食べていません。それでも、
「多喜二だって食べてないからいいです」
と、これも火鉢のそばに置きました。
時間ぴったりに看守に連れられて面会室に現れた多喜二は、
お母さんを一目見るなりコンクリートの床に頭をつけ、
「お母さん、ごめんなさい!」
と言ったきり、顔が上げられません。
両目から滝のような涙を流してひれ伏してしまいました。
わずか5分の面会時間です。
言葉に詰まったお母さんを見かねた看守が、
「お母さん、しっかりしてください。
あと2分ですよ、何か言ってやってください」
と言いました。
ハッと我に返ったお母さんは、
多喜二に向かって、この言葉だけを残り2分間繰り返したそうです。
「多喜二よ、おまえの書いたものは一つも間違っておらんぞ。
お母ちゃんはね、おまえを信じとるぞよ」
その言葉だけを残し、お母さんは再び小樽に帰りました。
やがて出獄した多喜二は、今度は築地警察署の特高に逮捕され、
拷問によりその日のうちに絶命しました。
太いステッキで全身を殴打され、
体に何か所も釘か何かを打ち込まれ、亡くなったのです。
もはや最期の時、特高がまだステッキを振り上げようとすると、
多喜二が右手を挙げて、しきりと何かを言っているようです。
「言いたいことがあるなら言え」
と特高が水をコップ一杯与えました。
すると、多喜二は肺腑から絞り出すような声で言いました。
「あなた方は寄ってたかって私を地獄へ落とそうとしますが、
私は地獄には落ちません。
なぜなら、どんな大罪を犯しても、
母親に信じてもらった人間は必ず天国に行く
という昔からの言い伝えがあるからです。
母は私の小説は間違っていないと信じてくれました。
母は私の太陽です。
母が私を信じてくれたから、必ず私は天国に行きます」
そう言って、彼はにっこり笑ってこの世を去ったのでした。
お母さんは、字はひらがなぐらいしか読めません。
したがって、多喜二の小説は一行も読んではいないのです。
しかし、自分の産んだ子は間違ったことはしていない。
かあさんはおまえを信じている、と言ってくれました。
そういうお母さんに対し、多喜二は「母はオレの太陽だ」と言ったのです。
ここにおられる女生徒の皆さん、
あなた方はあと十年もすれば愛する人を見つけて結婚なさると思います。
どうかそのとき、その愛した男性に対して
「お父さま」とおっしゃってください。
どうか「尊い人」と言ってあげてください。
男性も女性から尊い人と言われれば、本当に命をかけて、
あなた方の命の安全と幸福のために汗を流して頑張ります。
人間のこの父母である夫婦が尊敬しあい、
いたわりあわなければ、子供が健全に育つはずがありません。
だから、皆さんの世代になったら、
ぜひ日本人の母になってください。
カミ様になってください。
男の生徒さんは、たくましく、
優しい日本人の男になってください。
そして、だれも真似できない太陽を胸に輝かせた
自分というものをしっかり確立してください。
それが、皆さんの永遠の心棒です。
「日本の心」(作家・境野勝悟)より
「料理の心得」 久司 アベリーヌ 偕子
Cooking Attitude by Aveline Tomoko Kushi
「料理の心得」 久司 アベリーヌ 偕子 より
Besides having good-quality food and proper cookware, to be a good cook, the right attitude and frame of mind are also necessary. Here is another check list.
よい材料と適切な調理器具を用意した上で、良い料理人であるには、正しい態度と気持ちが必要です。 皆さんで以下の項目を確認してみましょう。
1. A cook should leave all worries, problems, and angers behind as he or she relaxes mind and body into a peaceful, calm state of being. A cook’s thoughts and emotions are mixed into the food and have an effect on anyone who eats it. Here are some things, among others, to remember while cooking.
料理人は、全ての悩み、問題や怒りを捨て去り、平和で、穏やかな状態へと心と身体を落ち着かせましょう。 料理人の思考や感情は、調理された食べ物の中へと混入し、食した全ての人に影響をあたえます。 ですから、料理人は料理をしている間は下記のことに心をとめましょう。
A) Pour love and healing vibrations into the food, and imagine that whoever eats it will become healthier and happier.
愛と癒しの波動を食べものに注ぎ込み、それを食する誰もが更に健康で幸せになると想像しましょう。
B) Imagine that the food has the power to help individuals realize their dreams, and that with this tool comes the ability to vitalize and inspire whole civilizations. This is actually true.
食べものはひとりひとりの夢をかなえる力があり、そしてこの考えが、全ての文明を活性化し啓蒙する力を導く道具であると想像しましょう。 これは真実のことです。
C) Give thanks to the farmer, trucker, storekeeper, nature, the food itself, cookware companies, and anyone else who has made it possible to have these wonderful ingredients and utensils.
お百姓さんや、配達したくれた運転手さん、お店の店員さん、自然、そしてその食べものはもちろんのこと、調理道具を作っている会社、素晴らしい材料や調理器具を私達に与えてくれた全ての人々に感謝の気持ちをささげましょう。
D) A cook can imagine that he or she is composing a symphony or painting a masterpiece as colors, textures, tastes, and smells are arranged into beautiful and dynamic combinations. Anyone who cooks should work to release his or her creativity and intuition. These develop with experience, so be patient and persistent.
料理人は、交響曲の作曲家や、名画を描く画家のように、色彩、歯ごたえ、味覚、嗅覚を美しく大胆な組み合わせで配列することを想像できます。 誰もが自分の創造性と直観を開放して料理をいたしましょう。 経験と共にこれらは発達します。 根気よく、辛抱強く続けましょう。
E) Realize that there is always more to learn. One should never become arrogant and think that he or she now knows it all. Be open and learn from everyone. We all have different perspectives and ideas and therefore we all have something to offer.
さらなる学びが常にあります。 どんな時も、けっして全てを知ったと横柄になるべきではありません。 心を開き、全ての人から学びましょう。 私達は皆、異なる観点や考えを持っていますから、何らか提供できるものがあるものです。
2. Clean and organize the kitchen and surroundings before, during, and after cooking.
キッチン周りは、調理を行う前、調理中、調理後においても、清潔にし、整頓いたしましょう。
3. Long hair should be tied back to prevent it from catching on fire as well as from falling into the food. Wear a clean apron and roll up long sleeves.
長い髪は後ろで結び、火がついたり、食べものに落ちたりしないようにいたしましょう。
清潔なエプロンを着用し、長い裾は、まくりあげましょう。
4. Work quickly, calmly, and efficiently, economically making the most of one’s time. Avoid munching while cooking as this will really slow things down.
すばやく、落ち着いて、効率よく、時間を有効に使いながら、調理をおこないましょう。
調理中のつまみ食いは避けましょう、この行為は実は進行を遅らせてしまいます。
5. Keep other activities and distractions to a minimum and concentrate all energies on the task at hand.
他の活動や気をそらすものを最低限にとどめ、目前の事柄(料理)に全てのエネルギーを集中させましょう。
6. When making a menu, first look at all leftovers and older vegetables and use these first. Do not waste any food. Avoid buying more perishables than needed. Check supplies first before going shopping.
献立を考えるときは、まずどんな残り物や使いかけの野菜があるか確認し、それらを優先して使いましょう。 食べものを粗末にせず、必要以上に買うのは避けましょう。
買い物に出かける前には、家に何があるか確認いたしましょう。
7. Develop intuition and common sense in order to appropriately adapt meals to the weather, the season, the people for whom one is cooking, and one’s own needs. A cook should be aware of the daily needs and changes of others, his or her own moods, and any other influencing factors for that particular place and time.
天候、季節、誰に調理しているか、その人自身の必要としているものなどを適宜食事に取り込むために、直観と良識のある判断力を育てましょう。 料理人は、食べる人が毎日必要なものや変化、気分、食べる時や場所などその他影響を与える物事に常に意識しなければなりません。
8. Keep meals simple. Do not mash together a lot of different ingredients into one dish. Go light on seasonings and use them mainly to draw out and enhance the natural flavors of food.
お食事は簡素にいたしましょう。
たくさんの材料を一品に混ぜ込むことはやめましょう。
調味料は控えめにし、主に食材の自然な味を引き出すために、より引き立てるために使いましょう。
9. Decorate food beautifully, set the table using appealing tableware, and make the dining area comfortable and aesthetically pleasing. This enhances appetite and the dining experience.
食べ物を美しく盛り付け、素敵なテーブルコーディネートをして、ダイニングルームを快適で心から楽しませるように整えましょう。 これにより、食欲を促進し、食空間の体験を盛り上げます。
10. Take the time and place to relax, sit down, and peacefully enjoy meals with appreciation. Chew food thoroughly, the saliva helps digestion. Also it is best not to eat unless one is truly hungry.
お食事をするときは、落ち着ける場所に座り、感謝の心とともに、穏やかに時間をかけて、食事を楽しみましょう。
よく噛んで食べることにより、唾液が消化を助けます。
そして、本当にお腹がすいている時だけ、食事をするのがもっともよいことなのです。
GLOBAL COMMUNITY 4月号
○今どうして通訳ボランティアガイドなのか?
○通訳ボランティアで英語が身につく
○やる気があれば誰でも出来る
○3年間の特集インタビューを振り返って
○国際結婚のカップルを3年間取材してみて
*イベント関連*
○世界料理サミット2009
○観光庁インターンシップの報告会について
○高島平プロジェクト NO3
○100円で参加できる韓国語勉強会!!
○2016年オリンピックで日本がするべきこと
○富士山を世界遺産にする運動について
○国際ダンスデー・フェスティバル 4月29日
*みんなの生活*
○張景子の多文化交流を楽しもう
○13歳でデビューした韓国の人気トロット歌手
○食育のすすめ―豊かな食卓をつくる50の知恵
○英語と経済を同時に勉強しちゃおう!!
○少人数で自由な雰囲気で英語を勉強しよう
グローバルコミュニティーお役立ちリンク集
グローバルコミュニティーお役立ちリンク集
JAPAN ATTRACTIONS(ジャパンアトラクションズ)
JAPAN ATTRACTIONS(ジャパンアトラクションズ)は、
日本の様々な分野(文化、芸術、歴史・寺院、芸能、グルメ、ポップカルチャ
ー、観光地)の
イベント情報、ニュースを世界に発信するサイトとしてスタートしました。
日々日本の各地で開催される大小様々なイベントを、その規模にとらわれず紹
介し、
日本ならではの多くの魅力を知ってもらい、体験してもらうこと、
それらの手助けになることを目的としたサイトを展開しています。
国内に在住の日本人のみならず、日本に訪れる様々な国の海外の方が、
より深く日本のことを発見できる、そんなサイトを目指し、日々日本のイベン
ト情報を提供していきます。
JAPAN ATTRACTIONS introduce a variety of events and news in Japan for
the tourist to enjoy the charms of our country. We help tourist to find
the events to match their needs.
We strives to become the most informative website about the events and
news in Japan by connecting both national and international tourist to
valuable resources.
多文化情報誌『イミグランツ』
グローバルコミュニティーでは、多文化共生に詳しい元毎日新聞論説副委員長の石原進氏に2010年11月のアジアエンパワーメントの総括の記事を 書いていただきました。石原氏は、記者当時から日本における外国人問題に深い関心をもち、「多文化共生社会・日本」 の実現をはかるべく多文化情報誌『イ ミグランツ』を創刊されています。第一線のジャーナリストとして活躍された深い見識と、毎日新聞政治部副部長時代に培った豊富な人脈を活用し、 海外有識者ネットワーク 日本事務局長を努めながら、『日本社会の内なる国際化』の啓蒙活動を『イミグランツ』を通して地道に続けておられます。
『イミグランツ』は、以下の公式サイトよりお求めいただけます。
http://www.imin.co.jp/immigrants/
多文化情報誌『イミグランツ』 NO.4
特集1:東日本大震災と在日外国人・・被災地でボランテイア活動に参加した外国人の人たち
特集 2:『EPA』を問い直す・・待ったなしの人材不足。いろいろな角度からEPAのシステムを考える。
特集 3:『開国』から20年・・単なる労働者としてではなく、日本を作っていく仲間として。。
Come Back House,inc job information in Japan
■サイト名:外国人に特化した就職支援サイトJapanCareer
■サイトURL: http://www.japan-career.jp/
■紹介文:Japan Careerは日本で就職したい高度外国人のための就職支援サイトです。就職支援サービスでは、世界中の外国人学生に高度外国人を積極採用している企業を無料で紹介します。
義務でない外国人子弟の教育
岐阜県在住の日系ブラジル人は製造業を中心とした派遣労働に多く従事していますが、彼(女)らの雇用状況は昨年の未曾有の経済危機により大きく変動しました。
ソニーの家電工場やトヨタ自動車の下請け企業等で就労し、地域経済を支えてきた日系ブラジル人は、景気悪化に伴い真っ先に「派遣切りの対象」として白羽の矢が立ったのです。岐阜県とは、就業者に占める外国人比率(2・3%)が全国1位という地域です(05年国勢調査)。
日系ブラジル人の派遣切りは、将来に希望や夢を抱き、懸命に日本の学校やブラジル学校で学ぶ子どもまでにもしわ寄せがいきました。
日本の学校の場合、多くの高校や大学の推薦入試が年内に、一般入試が1月以降に実施されます。こうした時期と保護者の失業が重なり、苦労して日本語を習得してやっと手にした県立高校合格通知を手放すこととなった子ども、家計を助けるために進学せずに働くことを選んだ子どもなど、子どもの心情を考えると、悔しい、遣る瀬無い事態が起こりました。
しかし、私が出会ったこうした日系ブラジル人の子どもの中に、親や家族を恨んだりするような子どもは誰一人いませんでした。
NPO法人可児市国際交流協会では、市内在住かつ日本の高校へ進学する外国人生徒2人に対し毎年奨学金を授与しています。これは地域住民の寄付で運営する教育基金で、同協会の事業として04年度に開始しました。今年4月、すべての申請者に奨学金が授与されました。経済的に困難な子どもが多く実在している現実を目の前にし、地域が少しでもお手伝いできたらという地域住民の柔軟な判断です。
一方、ブラジル学校に通う子どもについては、保護者の失業等の理由で授業料の支払いが難しくなって学校を辞めたり、自宅に待機したりという事態が起こりました。
日本にある多くのブラジル学校は正規の学校としての認可がとれず「私塾」扱いのため、地方自治体からの助成金もありません(岐阜県、静岡県、愛知県、三重県では各種学校の認可基準を緩和し、ブラジル学校計5校が認可されました)。また授業料に消費税が課せられ、通学定期券も認められていません。
こうしたブラジル学校に通う子どもの就学を支えようと、岐阜県はいち早くその支援施策を検討しました。「現下の厳しい経済情勢及び雇用情勢を踏まえ、離職者等の雇用支援・対策等について全庁的な協議・情報共有を行うため」とし、08年12月8日に岐阜県緊急雇用対策本部が設置されました。
その中で県国際課は、「県内の外国人労働者1万8571人が12月下旬までに少なくとも1700人が失業し、かつ解雇の計画が前倒しされて1月末までに約3千人が失業する。その結果、県内に所在するブラジル政府認可校4校と無認可校3校に就学する1千人の子どもが1月には400人に減少する」と、ブラジル学校の変動数を12月25日時点で試算しました。また、県内の公立小中学校に在籍する外国人児童生徒の異動状況も調査しました。
これらを踏まえて岐阜県は、09年1月13日、全国に先立ち「ブラジル学校支援策(*)」の発表と至ったのです。
岐阜県が発表したこのブラジル学校緊急支援策について文部科学省は、「学校法人の認可を受けていない所は公の支配に属しておらす、公金支出は憲法89条に抵触する」(中日新聞09年2月12日)とし、岐阜県の支援策を認めない姿勢を示しました。その結果、多くの議論と波紋が各地で広がりました。
これに対し、子どもの姿が「見える」地方自治体は、決して怯みませんでした。とりわけ岐阜県国際課の担当者は、「幼児教室への公金支出をめぐり、東京高裁判決が支出は問題なしと判断した判例(最高裁も同様)」(東京高裁91年1月29日判決、昭和61年(行コ)第51号公金支出差止請求事件)を知り、この教室のある埼玉県吉川市まで行き、子どもが安心して就学できる策を模索しました。こうした地方自治体の尽力が実を結び、県内の計5市1町においてブラジル学校で就学が困難になった子どもの就学支援がついに実現しました(09年4月以降も継続)。
未だ日本に暮らす外国籍の子どもは就学義務の対象外とされ、日本の公教育において子どもの学習権が保障されていません。このような現実の中、子どもの姿が「見える」地域住民や地方自治体は、国籍を問わず、地域に暮らすすべての子どもの就学を支える取り組みを実践しています。
それは、「デカセギ」者から「定住・移住」者となった日系ブラジル人が、地域では住民の一員として位置づけられている証といえるでしょう。
保護者の就労によって、子どもの学習権が保障されないような国であってよいのでしょうか。子どもの教育環境を整備することは大人の責務だと私は思います。すべての子どもが将来に夢や希望を描けることのできる社会になることを心から願い、私はこれからも微力ながら一助になるお手伝いを続けていきたいです。
*【ブラジル人学校への緊急支援策】市町村の取り組みについて、外国人離職者の子どもに対してブラジル人学校等が行う授業料の減免に着目した一定額の補助(補助率2/3)を市町村振興補助金により支援する等という内容。
小島祥美(こじま・よしみ)
愛知淑徳大学専任講師。大阪大学大学院にて博士号取得(人間科学博士)。埼玉県草加市生まれ。小学校教員、NGO職員を経て、研究のために岐阜県県可児市へ転居。日本で初めて全外国籍児童の就学実態を明らかにした研究成果により、可児市教育委員会の初代外国人児童生徒コーディネーターに抜擢。可児市の様々な実践は、外国人の就学を保障するモデル的な実践として全国から視察者が絶えない。2007年4月より現職。NPO法人可児市国際交流協会運営委員、愛知県小牧市多文化共生協議会委員長など
ニッケイ新聞より抜粋
高島平再生プロジェクト 5周年記念シンポジウム
高島平再生プロジェクト 5周年記念シンポジウムの資料を掲載ー「看護留学生を迎える高島平団地の可能性を考える」です。
http://ec-company39.com/takap/news/detail.html?eid=00055