レイクランド大学 学生紹介 NO.10
レイクランド大学 学生紹介 NO.10
震災のボランテイアが教えてくれた将来の夢
今野英太郎さん 学内でのチャリティーイベントの様子
震災ボランテイア説明会
今野英太郎さん(19歳)は、中学・高校時代は野球に打ち込み、予備校時代に海外への興味と色々なことを経験したいという思いでレイクランド大学・ジャパン・キャンパスに進学。2年生になって、英語の授業にもやっと慣れてきたころに、東日本大震災が起こった。両親の実家が宮城県の石巻市という大変被害の大きなところだったので、道路が開通した3月20日に安否が確認できない親戚を訪問。町中歩き回って何とか、親戚の無事は確認できたが、友人たちの中には、命を落としたものも多くいた。とにかく、自分にも何かできることはあるはずだとその後、学校の友人や職員の方も関わってもらい、合計3度1ヶ月半にわたり被災地のボランテイアを経験した。足に釘が刺さったにも関わらず協力してくれた友人もいた。また学校の協力で商品を集めて、オークションをして募金を集めた。アメリカ本校の人たちからも募金という形で現地の人たちへの多くの励ましをいただいた。
しかし、石巻では、まだまだ、ボランテイアの数は足らない状況が続いている。夏になってきて、学生たちもハエが飛び回っている教室で汗だくになりながら授業を受けている。ゴミなどの悪臭で窓が開けられないからだ。がれきの掃除や家の整理にしても、大きな家なら10人でも一日1軒片付けるのがやっとだ。震災から3ヶ月以上経っているが現状はあまり変わっていない。被災者の人たちは疲れきっていて、私たちとも積極的に関わろうとしない人も多い。
はじめは、せっかく手伝っているのにと残念に思ったが、あるご婦人のことばで気がついた。『毎日、瓦礫を見て生活していると気持ちもすさんでね、家族みんなを亡くし、何のために生きているのかわからないのよ。』ということだった。とにかく話を聞いてあげる『精神的なサポート』が一番必要とされているのだと理解できた。
その時から、困っている人の役に立てるよう、イギリスの大学でカウンセラーになる勉強をしようと思うようになった。9月には日本を出発するが、1ヵ月半のボランテイアの経験は本当の意味で相手の立場に立つことの大切さを知る貴重な体験だった。将来、どんな人の気持ちでも癒してあげることの出来る様な人間になりたいと思う。